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2014.04.07
Keiden(ケイデン)カードキー不具合 (富士宮市)
某大手アパート以外の賃貸マンションでも時々目にするKeidenのカードキー。
円筒状の錠前にカードを差し込み回転させて施開錠を行うのだが、時々予期せぬ不具合を起こす。
リリース当初から対応してきたが、以前は認証不良がよくあった。
カード内には薄い磁石が入っておりシリンダー側の磁石を反発させることで認証をするのだが、それを行わなくなってしまうのだ。
原因は二つある。
1.カード側の問題:カード側磁石がずれたり、磁力が弱くなりシリンダー側の磁石を反発させられないケース
2.シリンダー側の問題:シリンダー側内部の磁石が反発していても、磁石とその内筒の摩擦が強く磁石自体が動かないケース
1の場合は、確実なスペアのカードキーが手元にあれば作動させることは可能です。
もしかつては、電磁波で帯電してしまう・・・などの仮説をたてたことがあるが、もし管理会社などからそれを言われたら10年前の私の言葉だと思って間違いない。ちなみにその仮説は一人歩きし皆が原因に対し疑心暗鬼となる中全国的に広まってしまったようだが、言いだしっぺが撤回します。そりゃまず無いでしょ。
2の場合は、シリンダーを回転させ違った角度でカードを挿入したり、あるいはシリンダーを叩くことで復旧することもあります。特に季節変わりなどによく起こる感じです。
他にもカードを差し込んだ際にある、クッションのような感覚が無かったりするのは、認証以外の他に原因があることも考えられますが復旧の方法はありません。
更に最近こと多くあるのが、認証しながらも作動しないケースです。
カードを差し込むと確実にカチっという認証してワンクッションが入る感触こそあり、ケースロックが動くような「カシャ」という音がするのですが、デッドボルトが動いてないケース。
Keidenのこのタイプのシリンダーのテールピースは私の知る限り3タイプあるのですが、一つは写真左にあるような楕円の金属製の物。これは業者が交換時にテールピースをケースロックに落としてしまったりする事故が多く、マイナーチェンジの際に写真右上のような黒いプラスチック状の物になりました。紛失しにくくなったものの、この写真のように強度に問題があるようです。そして、目下一番新しいのがこの黒い形を金属で作り回りをコーティングしたもの(写真にはありません)。
ちなみに某賃貸アパートではこれらが入り混じり使われています。
さて、カードがありながら認証してる兆候があるのに開かない・・・一番イライラするでしょう。
でも、あるんですよね。
大体事前の兆しがあります。施開錠が重たいとかドアの開け閉めの際に当たってるなどの。
今回もまさにそれでした。
入居時からドアが重たかったそうで、そのままにしていたら、ある日突然鍵が開かないという事故に遭ってしまいました。
比較的築年数が浅い物件のため、防犯サムターン(指先でつまむクラッチがサムターンに装着されている)が装着された物件でした。
残念ながら私のサムターン回しでは室内側からも開けられないので壊すしかないのですが、壊すにしても通常シリンダー内にある認証後に回転するクラッチ板を回してやれば作動するのですが、今回は開きません。
ちょっと見えにくいのですが、この先端の黒いプラスチックがケースロックを動かすテールピースなのですが、これ自体がいじけてしまい、認証しても空転してしまってるのです。
テールピースの側面にはケースロックを作動させる際についた切り傷ができてます。
また刺さってる板状の金属が捻じれてることから分かるように、ドアの立てつけが悪くデッドボルトがドア枠に当たって動きが悪かったことが想像できます。
実際に、今回の入居者も入居時からドアの開閉の際、特に室内側からの開錠が重いことがあったそうだ。
作業ではシリンダーを完全に破壊し撤去した状態でドライバーで直接ケースロックを回した。
案の定、いじけた部品類は写真の通り。また時にこの金属の板がねじ切れてしまうこともあるからドアの当たりは侮れないのだ。
今回も枠には擦りキズがついており、室内からも開錠時はデッドボルトが枠にあたってる特有の動きとデットボルト自体にも擦れた傷があった。
壊して開けるのも一苦労だが、この後でドアの丁番の調整が必要だったことは言うまでもない。。。
施開錠が重いと感じたら、大きな事故になる前に早めに相談して対策してもらいたいものです。