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2014.05.12
トヨタヴィッツ 紛失キー製作 (沼津市)
保険ロードサービスの事案でてっきりインロックだと思い込んで現場に向かった。
ただ運転席側のドアは垣根の植え込みにビッチリとくっつけられていて、大柄な体格の私にはドアシリンダーでの開錠は難儀だった。
助手席側からオープナーで開けてしまえばそんなに労力は掛らないのだが、不思議とピッキングで狭い中やってしまうあたりが職人なんですかね?
それでも難なく開けて伝票にサインをいただき帰ろうとしたら
「鍵が無いから来てもらったのよ~。開けるだけで呼んだんじゃない」
と、お客さん。
全く聞いてませんでした。。。でも鍵屋なので本務でもあり、幸いこの後に作業が続いてるわけでもないのでここからは有償で作業を請け負った。
もちろん保険ロード―サービスも適用外となる。
トヨタ車は通常右ドアのシリンダーにキーナンバーが刻印されており、その番号でカットをするのがセオリーなのだが、今回は右ドアは開けられない。
幸い年式も古いので左側にもシリンダーがある時代の車、キー番号こそは無いが、そこから作ることにした。
内装を外し、シリンダーを取るまでは順調に進んだのだがいざ鍵をカットする段階で・・・。
鍵の高さはシリンダー下部の水抜き穴から目視で覗いて段差を判定するのだが、なんと2番目にタンブラーが入ってない!
キーはM354なのだが、コードブックでは当然2番目にも高さが表記されている。
とりあえず、2番目を一番高い高さでカットし、他の1~8番までを仕上げた。
左ドア、当然OK、右ドアもOK,そしてイグニッションもOK・・・!!!!ナニ?
2番目はタンブラーが不要なのか、一番高い高さが正しいのか???
とにかく、全部が問題なく作動するので、追加料金をいただき、作業を完了した。
そこそこ無事に済み、なかなか気持ちの良い仕事のはずであったのだが・・・・。
その日の夕方、このお客さんからエンジンが掛らないと連絡が入った。
このヴィッツはマニュアル車なのですが、最近のマニュアル車はクラッチペダルを踏み込まないとエンジンが始動しないのです。
年輩の方だし、電話口でかなりパニックになってるので、再び現場へ。
案の定、クラッチを踏んでなかったのでしょうか、簡単に始動し帰ろうとしました。
とりあえずお客さんも自分でエンジンを始動すると言うので結果を見届けようとしたら、最初はクラッチペダルの踏み込みが甘いのかと思ったら、なんとイグニッションシリンダーを回せないのです。
失くす前の鍵がキーヘッドにプラスチックカバーがされた物で、今回使ったブランクキーよりヘッドが少し大きいのです。
たったそれだけですが、キーを回転させる力の掛り具合が異なり指先で回せないと今度は怒り始めました。
使ったブランクキーはヘッドも金属製のいわゆる一般的な合鍵で使われるブランクキーなので、無骨と言えば無骨なのです。
しかし、それだけでイグニッションをONからSTARTに回す際のスプリングの反発力に勝てないとは・・・。
あげくに「こんなキーはいらない、ちゃんとしたのを作って」と言われました。
お客さんに満足を与えてあげたいのですが、・・・さすがに落ち度無いんですよね。
更に罵詈雑言は続き「これじゃ事故起こしちゃう。」って、動かせないのに事故起こすわけないでしょ!
そして、今度はキーが抜けないと駄々っ子みたいに言うので見ればキーがOFFで止まっておりLOCKまで回してないので当然です。
「こんなんじゃ事故になるから怖くて使えない」
お~いキーのせいで事故になるのか!!!
「どうせあんたは事故はウチのせいじゃないとか責任逃れするんだろ!」
もう詐欺師扱いですね。というか事故はあくまで運転者の過失によって起こすもので、キーが回る回らないは関係ありません。
さすがに老人特有の感情的な表現で言葉が完全に通じなくなってきました。
さすがに、返品したいと言われてもはいそうですかとは言えない。ましてや何も落ち度がないのですから。
金を返せと言われてませんが、借りにいわれても返す筋合いではありません。
最後はお客さん、完全に切れてました。
「もう頼まない」
本望ではありませんが、キーを捻ることもできない老化した方では逆に言わせていただくと、車に乗る資格ありません。。。とはさすがに言えませんでしたが、本心です。