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2014.09.17
フォルクスワーゲンPOLO シリンダー修理 (伊東市)
「鍵が抜けない」ということで、既にレッカーされた車の修理であった。
東京ナンバーの車で持ち主は既に自宅へ帰宅し、レッカー業者が預かっている車なのだ。そのまま修理工場に持っていけば良いのに、なぜか鍵の専門業者に見てもらいたいそうだ。確かにディーラーへ持ち込めば部品交換となってしまうでしょう。
写真を撮らなかったが、現車は窓が開いた状態で、そこはビニールが丁寧に掛けられ、鍵はドアシリンダーに刺さったまま。鍵の位置は45度で止まったまま。右にも左にも回らない。
私は当初、鍵が12時の位置に戻ってない状態で抜けないのか、それとも鍵とシリンダー内のタンブラーの摩擦が原因と簡単に思っていた。まあ、通常はそんなものだし。
ただ、既に回転している状態で、多少遊びで鍵は動く。従って鍵とシリンダーの相性としては間違って無い。
回転し始めて、何かの原因で引っかかってしまったようだ。
まずはシリンダーを外してみれば良い。
かつてワーゲンではゴルフのシリンダーを分解したことがあるので、情報が無くてもそんなに恐れるほどはなかった。
ただ・・・あれ?あの時はトルクスねじを外せば取れたと思うのだが・・・。
今回はダメ?内張り剥がす必要があるのかな?・・・しかし、窓が全開!これではガラスを外さねばならず、かなり想定外の作業がありそう。
工場内でもなく、青空作業でやってよいところなのか、分解するなら持ち主の了解も必要だろう。。。こりゃ、今日は状況判断でディーラー持込を宣告するだけかな?
とりあえず、ガタガタとドアハンドルをいじったら、外れた。
ハンドル本体を前側にスライドすることでASSYで車体から外れた。
まあ、ゴルフの作業はもう何年前なんだろうか・・・10年近いか?正直シリンダーの内筒とタンブラーとのにらめっこで鍵を作った記憶しかない。
ドアハンドルASSYを取り外しても、鍵は12時の位置に戻らない。
仮に、この戻らない原因が車体側のロッドか何かであれば、この取り外した時点でシリンダーは戻るはずなので、原因はこちらのシリンダー側となる。
キーシリンダーを外していくと、間もなく破片を見つけた。
ズバリ、これが原因。
これとは、内筒のリターンスプリングを引っかける爪の部分なのだが、そこが2か所折れていた。おそらく金属疲労だろう。
その破片は3mm程度の大きさだが、それが内筒と外筒の水抜き穴の間に落ち、引っかかってしまったようだ。これでは戻らないだろう。
破片を除去し、スプリングを外せば良いのだが、このスプリングはリターンの回転方向だけでなく、ストッパーを押さえつける役目もあり外すわけにはいかないようだ。外してしまうとストッパーが緩く、振動で自然と外れてしまう可能性がある。
しかし、カラーの爪が折れて、スプリングが収納できない。引っかからないため組立てができないのだ。コレ結構回転方向に力が掛っているのだ。
仕方が無く、スプリングを巻かずに押し込むだけで組み立ててみた。
すると、シリンダー後ろのカムにあたる部分が真っ直ぐにならず、車体に組み付けられないのだ。しかも、スプリングの先端が爪に引っかかるように外側に折ってある。それが引っかかるのだ。
やむを得ず、その部分を内側に折り曲げて組み立てた。
取付は完ぺき!
強いて言うなら、キーの施開錠の際に、ワーゲンらしいぐいっとした回転の重さが無いことだ。
一応この状態で車を取りに来て運転もできるので、あとは持ち主がこの感覚が嫌なら部品を交換すれば良い・・・が、ASSYなら交換するだろうが、内筒引き抜いて入れ替えをディーラーがやってくれるだろうかは分からない。