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2015.10.02
アパート玄関錠開錠 (沼津市)
「こんな時間でも作業をやってくれるんですか?」
なんとも低頭な問い合わせが来たのが夜8時頃であった。
仕事柄不規則な時間でも対応はせざるを得ないので、午後8時はまだ宵の口である。
自宅アパートの鍵を紛失し室内に入れないという問い合わせであった。
さほど深夜でもないし、断る理由はない。
本人確認も住所が現場と一致する免許証を持っている。
賃貸アパートだとこの確認がなかなか面倒くさい。困らない限りは住所変更をしない人は珍しくない。
ましてや長期出張でホテル代わりや、企業が寮代わりに借りてることも少なくはないからだ。
9時に現場待ち合わせでの出動。
電話ではMIWAの縦穴の鍵穴だと言うのでH248を連想していて楽勝ムードだったが、行けばSHOWAだった。WAだけは同じってことか。
楽勝即帰宅ムードは一気に冷め、敗戦ムードが広まった。
このショーワ、どこかで見たなと思えば、この稼業初めて間もない頃、横浜市内で老人宅の鍵開けで付いていた錠前だった気がする。
2ロック同一でどちらかがなかなか開かずに破錠となった。
振り返れば、当時は駆け出しで他の方法を見いだせなかったし、今なら壊さずにどこかを開けていただろうなあと思っている。
それでも鍵屋なのでなんとか玄関を開けたい一心は今以上に強かったかな。
15年目の雪辱で一応ピッキング、反応少なし。う~ん15年前の再来か?
でも、その後幾多の困難を経験してきたわけだし、アパートごときで逃げられない。
窓、新聞受け、ドアスコープ・・・なんとかなりそうかな?
しかし、見事にすべてが打ち砕かれた。
窓、クレセント以外に玉落としのようなものがあるらしく、また掃き出し窓のサッシの柔軟性も低く開きそうにない。
台所の方は、鉄格子が壁に埋め込まれていて、外せる場所はない。
新聞受けは樹脂製で上側が少し持ち上がるものの横でビス止めされてそうで、外れる気配はない。
最後の頼みがドアスコープ。外すのはさほど手間は無かったのだが・・・なぜか開く手応えが感じられない。
作業着手から30分ほどして、お客さんも少し諦めた感じで、代金は払うのでキャンセルし翌朝不動産会社から予備の鍵を受け取るようにしても構わないと言いだした。
手間が掛かって暗い手元で埒開かない雰囲気に気を利かせたのだろうけど、はいそうですかとも引き下がれない。
あと10分だけ、時間を区切って再度のピッキング。
SHOWAのシリンダー、構造的に開かないはずはない。
ただ現実、開くときは即開くが、開かない時はなかなか開かない。その開かない時はどこで割り切るかの問題。
開く感覚がなかなか掴めないなか、もはやダメかな?と思った瞬間にシリンダーが回転した。
ヨッシャ!・・・ショットドライバーをミスらないように反転させて開錠成功。
開かなくても払うと言ってくれた代金を正々堂々と受け取れる。
「いや~沼津にもロックスミスっていたんですね」
なんともお恥ずかしい、辛うじて開けたSHOWAにそう言っていただいた。
もちろんロックスミスという言葉は満額受け取りたいし、自らもキーショップと分けて職業紹介をしている。
でも、もう少しスマートにいきたかったな。
沼津のロックスミス Office雅です。