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2016.01.05
ディンプルキーの合鍵
最近流行のディンプルキーですが、巷ではすっかり汎用品として定着してしまったようです。
かつてのようなハイセキュリティの極みのポジションではなくなってしまったのかな?
セキュリティ面で言うなら、従来の縦並び一列のピンシリンダー(ギザギザキー)に比べて開きにくくなりました。
でも開かないこともないのが実態。
よくディンプルシリンダーは絶対開かないみたいな神話めいたものが言われますが、従来のピックとテンションで私もいくつか開けてます。
それでは全部開くかと言うと決してそうでもないのは、前出のピンシリンダーも同じこと。
ディンプルシリンダーとは言いますが縦一列に並ぶピンシリンダーのピンが上下だけでなく左右からも出てるだけなので理屈ではピンシリンダーが開けられるなら不可能ではありません。
ただ物によってはせっかく開錠できてもクリックボールや内筒のダミーホールなどで肝心のケースロックを回すまで至らず途中の15度当たりの角度まで回り止まってしまい、どうすることもできなくなってしまうシリンダーもあるようなので、その辺の判断が外側からできずに難しい。
さて子カギの方だが、鍵表面に穴がブツブツと開きなかなかスタイルは良い。
作る側もなかなか精度が必要である。
ただここで注意しなくてはいけないのが、物理的にコピーできるからと合鍵を作れても法的にできないものもある。
なんのこっちゃ?という感じだろうか。
その構造などで特許を取ってるメーカーがあり、それらを合鍵と称してコピーを作ることは特許侵害にあたる可能性があるのだ。
そのため、そうしたメーカーのブランクキーが作られてなかったりもするのだが、意地で加工してやったみてもオチがつくこともある。
そうした物は純正のカギ番号からメーカーに発注するしかない。
価格的にはコピーを鍵業者でカットする相場と同等か安いくらいではないだろうか?
ただ納期が掛かります。
黙って言われる納期は1ヶ月程度、早ければ10日前後で入荷することもある。
弊社でも以前はG社のディンプルキーをコピーしたことがあるが、18本もピンがあり、また精度が必要なので片側には回って反対に回らないようなカタビッコな物ができたりもした。
見た目は格好良くできるが、うっかりシリンダーテストも行わず販売したらお客さんに迷惑が掛かるので、今は自社での加工は止めている。
その代りメーカー発注で行い、コピーキーによくある回らないというようなトラブルを防止している。
数百円となれば泣き寝入りするお客さんもいるが、千円の枠を超えて行くとそうもいかないし、お金を出す方もそれなりのクオリティを求めてるだろう。
実際、どこの鍵屋にも断られたというディンプルキーのコピーの問い合わせはよくある。
理解できる人もいればできない人も少なくない。
客商売とはいえ、それは仕方がないこと。
ご理解いただけないお客さんは納得いくまで探していただくしかない。
今年も現実と向き合ってやっていきますのでよろしくお願いします。