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2016.10.02
安否確認での玄関開錠 (沼津市)
月末、今月の作業も終わりと思い帳簿を閉めたら入ってきた作業。
作業の入電時にいくつか尋問する。
恐らくどこの鍵屋でもするはずである。
もし、しない鍵屋があれば、余程観察予知能力が人並み外れてるか、遵法精神に欠けた業者と言わざるを得ない。
まず状況は聞くだろう。
立ち入ったことではあるが、玄関を開けてくれの一言でも、鍵がないのかあっても開かないのかで対応も変わって来る。
また物件が新しいか古いかでも開錠確率は変わる。
更に、鍵を無くしていたら交換が必要かどうかも知りたい。
中には施錠された状態で鍵を複製できると思ってる人もいる。
次に過失だ。
故障や何かしらのトラブル(いたずらなど)であれば、疑うところもないが、時々鍵を間違えている人も珍しくはない。
鍵が入らないと散々騒ぎ、現場に行けば全く違う鍵を差し込もうとしてたりするのだ。
しかし、他人の家を平気で開けようとする人も少なからずいる。
関係は色々、親子もあれば友人や会社関係、近所まで。
表題の安否確認などはその最たるもの。
どこまで他人を信じるかのメジャーは無い。言い繕えば世界は一家人類は兄弟になってしまう。
親子くらい甘んじても良いのだが、やはりそこは法律論で割り切るしかない。
安否確認をしたい時は相手を思いやる気持ちで一刻も早く動静を知りたいという気持ちだろう。
もっとも、その思いやりもどこまで信用できるかは難しいので、住人として住居に登録されてない人は他人と見るのが妥当と言わざるを得ない。
仮に関係が内縁でも、その住居に登録されて居住の確認ができれば問題が無いのだが、血縁関係で別居状態が一番ややこしい。
それは私も別居している母がいるから、同じケースの時にかなり苛立つだろう。
しかし、全くの第三者の立場では、公的証明を求めるしかない。
今回の作業も、最初の入電時にあれこれ聞いたら、住人ではなく、その娘と名乗る人であった。
電話連絡が取れないから部屋を見たいと言うのだが、住居の証明ができないことから、関係が把握できた。
とりあえず、そういう場合は警察官の立ち合いを求めている。
なぜ事件でもないのに?・・・そう思われるだろう。
しかし、事件に巻き込まれている可能性が排除できない以上、公的立場の立ち合いは必要と判断している。
逆に住宅の鍵を開けるということはそれほど大袈裟で倫理観が必要と考えている。
安否確認というだけあって、室内で必ずしも無事でいてくれるとは限らない。
居なければ行方不明だし、その背後には家出や拉致なども可能性が出てくる。
更に居たとしても、寝てたり、呼び鈴に応答しないだけなら良いが、何か持病があり発病したとか、事故に遭ってるとかで玄関まで行けずに救急搬送を要する場合もある。
またその状況でも自発的なことか、他人に仕込まれた犯罪なのかで事態の重さは大きく変わって来る。
最悪の事態だってある。室内で死亡していた場合。
病死や老死であっても死んでしまったからには警察の介入は必要で、救急車を呼んでも死亡と判断されると搬送はされない。
ましてや、他殺や自殺であった場合は事件となるので、例え親族であっても現場には立ち入れない。
建前論を書いてるようだが、やはり一刻も早く、そう思われた際にはまず警察に赴き、現場に入れる環境を作るべきだ。
単に一時の感情で法律を無視してはならないというのが弊社の持論。
闇雲にできるからと、開錠して誰かしらを室内に上げてしまうと、もし事件であれば、あったかもしれない証拠類を破壊してしまう可能性もある。
取れたはずの容疑者情報を壊して事件を迷宮化させてしまうこともある。
更には、実は名乗った人間が全くの第三者で、開錠後に強硬に室内に籠城してしまい、居住権を得てしまう可能性も否定できない。
幸いにして今回は事態を理解し、こちらの要求に応じて警察署でます事態の説明をして警察官の派遣を段取りしてもらえたし、室内に人もおらずに、とりあえずの死亡断定が無かったから良かったが、依頼時にはそれを十二分に理解して欲しいとは思う。
作業の予約を入れるために業者確保なら良いが、その後でもまずは警察に。急ぎたいなら尚の事。
それとも、空振りや通報、最悪には入居者から住居侵入や器物破損で訴えられる可能性もあるが(本当に近親者で善意の行為ならないだろうが)窓ガラスでも割って安否確認しますか?