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2019.10.07
暗証番号式電子錠が開かない (静岡県伊東市)
暗証番号は分かるが開錠にならないという開錠依頼。
通常これってAIで対応すると、作業不可能って回答になるんじゃないだろうか。
なぜなら暗証番号式の電子錠でキーとなる 暗証番号が明確に分かる=開錠になる わけなので、それが開錠にならないとなればerrorと当然なるわけで、それって機械としてはないことでしょ。
でも現実として事態は起きているし、機械がいつも正常に作動するわけじゃない。
ましてや近年の建具であれば隙間もないから破壊しかない。
現場は公営住宅などで昔よく使われていたスチール製の扉に錠前はPMKという定番の耐火扉。
しかし、PMKは開錠になってるようだが、その上側に補助錠として暗証番号式の電子錠が付けられていた。
お客さんに番号を教えてもらい入力をしてみたがエラーとなってしまう。
番号を認証して開けようとする兆候はなく、まるでパネルが消えるようにエラーになる。その際、下側に一瞬表示されるロックの鍵マークと電池のマークが気になる。
伝票上では電池切れの申告はないので、機械の故障か?
しかし扉を開けるにはサムターンを直に動かすしかないのだが、建物が外壁塗装を行ったようで、扉は綺麗なクリームに塗装されていた。
どんな開錠に難易度の高いシリンダーを付けられても、ささやかな望みを残しているのがドアスコープ。
ただこの扉によくあるのが塗装工事の際にドアスコープにマスキングはするが塗ってしまうため、スコープ自体がペンキで固着してしまっているのだ。ここが取り外せれば手口もできるのだが、残念ながらそれは望めそうもない。
写真はタイミング良く全部のインジケーターが点灯した瞬間だ。
気になる赤いマークと左下にある給電の端子。
ドアスコープを壊さずにサムターン開錠が難しい以上試せることは試してみよう。
手持ちに金庫のテンキー開錠用に作った治具に9V電池があった。ただあまり使わないせいか、先日6Vの電球をいたずらした際に点灯しなかった。電圧をテスターで計っても電圧は出たのだが・・・ちなみにこの電子錠も反応しなかった。
まあ手持ちの電池は何年も前のなので、現場を離れてコンビニで新品の9V電池を買って来てみた。
それを使って給電しながら暗証番号を入れてみたら正常作動した。
原因、電池切れ。
室内側はこんな感じのサムターンなのでカバーこそされてないが、通常中央のボタンで開施錠するのでつまみは高さが低い。
つまり外側からいじっても動いたかどうかは怪しい。無理しなかったのは正解だった。
お客さんの手持ちの単三電池を交換し、作動を確認したが故障などのエラーは無かった。
これらの電子錠はメーカーごとの共通規格は無いようだ。
せめて電池切れの際はこんな表示が出てこう言う症状になるとか統一されたものでもあれば、お客さんの言葉に翻弄されることもなかった。
しかし、何かしらの異常を示すアラーム音が鳴りながらも電池の消耗に気が付かないお客さん。
なかなか電池切れさえ理解が浸透することは難しい。
またアラーム音が鳴ったのでこの補助錠を取りつけた業者には電話をしていたそうだが、全く対応をしてくれなかったそうだ。
電子錠メーカーは個別にサポート体制を敷いていないメーカーが殆どだ。
取り付けた業者と違う業者に頼むことになると良い顔はされない。
こうした作りっぱなし、売りっぱなしも無くなることはないだろうから困ったモノ。
ちなみにサポート体制のあるメーカーだと価格もそれなりに高くなる。
こうした電子錠には輸入品が多い、どこで作るかは察してもらえると理解しやすいだろう。