ブログ
2013.09.07
痴呆老人
あまり良い話ではないが、弊社のお得意さんにも長く取引のある方がいるのです。
鍵屋と痴呆老人・・・どんなつながりがあるかと言えば、痴呆の方はすぐ鍵を無くしてしまうのです。無くせば交換と結構短絡的に思うらしいのです。そして大体が大至急を要求し、それに応えてあげると気に入ってくれてまた電話をくれるのです。
これは以前、長泉の単身の男性でありました。
鍵を無くしたというので大至急交換してほしいと言われ、大至急の対応が得意でもありますし、やはり手前味噌ですが仕事はきっちりやる主義で引戸錠の交換をしっかりやってあげたら、またしばらくして電話が来ました。
さすがに5本あるはずの錠だったので1本も無いと言われたので変だと思い、とりあえず現場へ。
さっさと交換しちゃえば良かったけど、つい良心が出てしまいました。家宅内には入れないのであそこに入ってないかと指示するつもりが・・・ポケットから。5本の鍵の束が。
そして三回目も間もなく、行くたびに民生委員の愚痴を言っていたのですが、その民生委員からの電話でやはり鍵が無いというものでした。
仕方なく現場に行き、時々巡回するという民生委員の人にこれまでの状況をしっかり話たら、民生の方でも痴呆なのは把握しているようで、ここは手を組んで変える必要の無い物は変えないようにしなくちゃ・・・と今回も案の定、身近な場所から出てきました。
それ以後は電話がなくなったのですが・・・達者なんでしょうか?
他の事例では被害妄想が強くなりますね。
この手では大体2回くらい呼ばれます。
そして、そのまま消息無くなってしまうのです。
あるものがいつもの場所に無いとなると、誰かが部屋に侵入したと思い込んでしまうのです。
実は自分で移動させてるんですけど。
そして今日のお客さんももう3年以上呼ばれてます。
ここは鍵業者のローテーションでも組んでるのか、いつも行くと以前自分の付けたものとは違うシリンダーがついているのです。
多い月は弊社だけで4回ほど、その都度別業者も来てるようで少なく見積もって8回にシリンダー交換代金・・・月の出費が凄いことに。。。
自称80代の女性で熱海のリゾートマンションに単身定住しています。バブルの頃に竣工した物件で当時は億円の物件だったんじゃないでしょうか。
更にこのマンションは出入り口が二か所あり、上側は一般的なんですが下側はリゾートクラブの月会費が掛るのでそれを払わないと利用できないシステム。
利用もしないのに払ってるあたりお金は問題ないのでしょう。
それでも、いつだったか、何度も呼ばれ、また別業者も来ているので管理人を通じて親族に注意を促したことがありました。
こちらも言われれば仕事なので交換しますが、異常ないのに交換するようなことはちょっと良心が咎めるものです。
領収書も切っているので、もしやがてこのお客さんが死んだりしたら、「なんだこの鍵交換の領収書ばかり」ともなりかねません。痴呆を知ってのことなので、やはり親族で止めさせるのが一番。
しかし、今日も行きました。
まあ、親族も知ってのことだし、話し相手が欲しいのかと最近割り切りながらも、なるべくシリンダー交換をしないように持っていくこの頃。
防犯上は問題の無いシリンダーなのだし「絶対大丈夫?」ということで押し問答し「じゃあ今回は様子見てみる」で引けば交換無で帰ってきます。
ただ今日は「まだ入られてないけど、心配だから一応ね」と・・・心配と言われると断る理由も無いのです。
売り上げにはなるので、ありがたいのはありがたいのですが、やはり商売はクリーンに行きたいものです。
痴呆で問題ないのを知ってシリンダー交換・・・やっぱり良くないけど、ここでこちらが筋を通しても別業者が何食わぬ顔で交換に来ます。
どんなもんなんでしょうね。。。
今は余生を少しでも気が楽になってもらいたいものと思って、同じことを繰り返ししゃべる話を聞きに行ってあげてる感じです。