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2013.09.27
久々の金庫ダイヤル開錠
久々の金庫のダイヤル開錠、それも業務用らしいのでアドレナリンが噴出してます。
いえ、じつはちょっとネガティブな気持ちなんですが・・・。
ホーム金庫のダイヤル開錠なら、喜んで飛んで行くのですが、業務用となると・・・今までは破錠などしかないところを、スーパーダイアラーの導入で自信満々、意気揚々といきたいのですが、このスーパーダイアラーの実績が乏しくまだ自信ついてません。
初デビューは漁師宅、それこそ町内会全員集まってたんじゃないかと言うにぎわいの中でした。
仕組み上、開錠には時間が掛るのですが、僕自身も易々といけると軽く思っていたせいもあり、ちょっとうんざりした一面はあったんです。
気の短い海の男はぶっ壊せと横で騒いでるし。
午前中から始めた作業も昼を回ると、周辺のイライラが伝わってきて、作業の続行も危うい雰囲気。
TVを見てくつろいでした漁師もそわそわと・・・こりゃ壊さないとダメかな・・・スーパーダイアラーへの信頼も薄らぎ、破錠もやむなしと思ってる矢先に電源が落ちた。
ん?ダイヤルがそろった???
なにせ、どんな結末になるかは初めての経験、恐る恐る機械を外して、ダイヤルを手で動かしていくと・・・おお!開いた!!!!!
ただ、なんかしっくり来ない感じです。時間掛りすぎ。
そして第二弾は不動産屋さんのキャビネット。
耐火キャビネットで業務用金庫と同じダイヤル錠がついているのです。
これも午前から作業を始めて・・・結局夕方になってしまいましたが、まだ機械は仕事中。
事務所も店じまいとなるので、このまま機械を作動させてもらいました。
まあ翌朝にはダイヤルも揃ってるはず・・・と思いましたが、翌朝行ってみれば、確かに電源は切れてモーターは止まってました。
しかし、ダイヤルは揃ってない感じで、左右に降っても開錠の雰囲気はありませんでした。
う~ん!!!困った。もう一回やるべきか・・・と、悩みながらも引き出しを多少力で引っ張れば、なんか、なんとかなりそうな感じ。
ちょっとドライバーでこじりながら、下段の引き出しから強引に開けてしまいました(ちょっと金具は修正しましたが)。
その後は連動してるロッドを調整し開けたのですが、これはちょっとショックでしたね。
100%じゃないのかよ・・・・。
確かにダイヤルもセンターが取れてないのか、重い場所と軽い場所があったりで、機械も誤解しちゃってたのか??
そして、実は昨日が第三弾でした。
所有者が亡くなり、引っ越すことにしたところ番号が分からない。
中には子供の写真や絵が入ってる程度なんだけど・・・とは言ってました。
やはり業務用金庫となれば開錠費用は高いですから。
でも腐っても金庫破りです。
やはり午前中から作業開始。
とりあえず、万が一の可能性もあるので、シリンダー錠が開錠になってるかや、ダイヤルのまぐれ当たりも期待したのですがダメでした。
長い旅になるかな、今日も。
スーパーダイアラーを設営、依頼者のうろ覚えの数字に近づいても機械はスルー。
まじかよ~。。。機械を十二分に信用してないせいもあり、設定が違ったか?それとも飛ばす数字が粗かったのか?やっぱり開錠の精度はこんなもんなのか?色々と思いがよぎりました。
こうなったら奥の手?・・・製造番号から割り出す手法もあるわけで、・・・でも経費が掛るし判明するのが早くて夕方。
同時進行させる方法もあるが、無駄な経費になるし・・・でも開かないならその方法しかない。それなら朝一番にしていればこんな時間のロスは無かった。
単調なモーター音の中、とりあえず取引先に電話してみた。
でもなぜかあと30分と思いとどまってしまった。
破錠についてはお客さんに説明していない。
なんとか開いて欲しい。
ここでダイヤル番号を照会すれば、今後この機械は使えないものとしてお払い箱だ。
それでも簡単に捨てられるほど安いものじゃない。
なんとか華を持たせたい。
でも・・・そろそろ次の方針を立てないと、そしてダイヤル全部を揃えてると、こりゃまた夜も稼働させて朝再び様子を見に来ることになる。
頭の中はグルグル・・・そして3時近くなって、電源が切れた。
さあ、今回は開錠できたのか???
この結果次第で機械の真価が問われるもの。
とりあえず装置を外して手でダイヤルを回していったら!!!!
BINGO!!!
開錠成功。
三度目にして、少しその特性が掴めつつある感じです。
理屈では分かっても、なかなか体得しないと理解できないものです。
金目のものでなくても捨てることができない金庫の中身。
今回はそれでも開けて欲しいという要望が叶えられて、やっと仕事をした充実感に達する事ができました。
その理由に帰り際にまだ食べてなかった昼食として惣菜パンをごっそりいただきました。
私は帰り際に持たせてくれるお土産の意味が良く分かります。
ただ開けばよい、開いて中の金目の物を取り出せれば・・・そういう人はくれません。
捨ててしまったら、二度と手にすることができない写真、現物は見てませんがそんな思いのこもった物が入っていたのでしょう。
だから、仕事の達成に対しての褒美ということで、ありがたく気持ちをいただきました。そうなんです、褒美をくれてやりたいほど大事なもの。
それがこの写真の扉の向こうにあったんです。
この仕事を開業する時は、地味で細かなダサい仕事と思ってましたが、最近になってようやく誇りに思えるこの頃です。
確かに海外と何億円もの取引する派手さもないし、出張出張で飛びまわるよりは地味で狭い場所での仕事。
儲けも少ないし、何億円の仕事をしてる人には経費のような売り上げ。
でも、誰かの為に役立ってる・・・それは間違いないこと。
警察の捜査加わったり、裁判所の調査や執行に行ったり・・・明らかに公務なんです(みなし公務員扱いです)。
たかが日本語で言う鍵屋、でも公務での仕事に参加すると、そこでは明らかに欠けられない一役を担うことになるのです。
開かなければ、どんなに優秀な人員で捜査班を構成し、確固たる令状を用意しても捜査は始りません。
それを知らない人はぞんざいに扱うし、知ってる人は驕らない。
派手さはないけど、自分のその場でできる、可能な限りの事をしていきたい。
改めて解放された気分の中で充実感を味わうひと時でした。