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2013.10.29
GOALシリンダー開錠 (三島市)
裁判所の現況調査での作業依頼でした。
しばらく空き家だったことが伺える2階建ての一戸建て住宅、築年数は14年とのことですが今風のサイディングを施した家です。
玄関アプローチはコンクリートが打たれてましたが、長いこと人が足を入れなかったようで、名も知らぬ草が腰丈ほどの高さまで育ってました。
更に玄関の鍵を覗こうとしたら・・・うわっ!デカイ女郎蜘蛛の巣。危うく顔を突っ込むところでしたがセーフ。
玄関はMIWAのURシリンダーかな?バリアフリータイプの横穴でした。。。こりゃ開かん。
まあ築14年と言えば古い方ではないですからね、建物もまだまだ現状で住めます。
我が家だって早いものでもう7年が過ぎました。
でも玄関のプッシュプル錠のレバーを引くと・・・音的に上側1個しか鍵かけてないことが分かります。
2ロックなので開けられるならここが楽なんだけどなあ。。。
ダメなものはダメ・・・他には、と家の周りを見て回りましたが、建具も新しくガタつきもありませんし、しっかり施錠されてます。
小窓なども無く完全に完ぺきな施錠、見本にしたいほどの戸締りでした。
で、これじゃ仕事にならない。
最後の最後に勝手口があるんです。
ただ、その場所が家の周りには草が生い茂ってしまい足を入れられません。住んでる時は問題なかったのでしょうけどね。
しかたなく川に面した壁面を上って勝手口にたどり着きます。
ここがGOALのTXでシリンダーはH683でしょうかね?2ロックです。もちろん施錠され隙間もありません。
いわゆるカギは片面ギザギザのタイプなんですが、僕は大の苦手。
外観は普通の5ピンのシリンダーなのですが、中に入っている上ピンがかなり早い段階からピッキング対策されているんです。
ピンが普通にストレートだと結構開けられもするのですが、言うなればH型を横にした形になって、更にくさびまで入ってるのです。
これだとピンがぐらつきピッキング時のテンションがシビアで大体ギブアップ。
よくある組み合わせが、これが裏口だと玄関はH248の2ロックなんですが、どうも築年数相応で既にH248は生産終了になってたので、仕方が無い。
まあ、確率低いのですが他が可能性が無いので(まだ2階は見てませんが、1階同様でしょう)ここしかない。
まずは開錠道具をセット・・・とピッキングを始めたのですが、実はどの時点でギブアップしようかを探ってました。
とにかく努力の格好を見せて、執行官からのストップを待っていたのです。
下側のシリンダーから始めたのですが、斜めに構えてのピッキングなので段々身体が痛くなってきました。そろそろかな???
弱気になりながらも、かすかな感触に夢中になってました。
すると・・・やってみるものです、ガリっという感触を伴って施錠方向にシリンダーが回ってくれました。もう回ってくれれば施錠方向だろうがこっちのものです。
ショットドライバーで反転!!!あっ!!!!失敗。巻き方が甘かったみたいで元の位置で止まってしまいました。
あ~苦労して回したのに!!!
気力の残量がかなり減った感触を感じながらも再度トライ・・・次が意外と早かったです。
今度はしっかり巻いて・・・反転成功!ガッチャンという音と共に下は開錠した感じでした。感じと言うのは上側が施錠されていたようでドアは開いてません。
しかし、1個でも開錠成功で残量僅かになってた気力のメーターがボーナスポイントを得た感じで少し量が増えた感じです。
さあ、上側も・・・これも先ほどいたずらした際は感触が無かったのに、割と早い段階で施錠方向に回転し、ショットドライバーで反転。
良い音ですね!・・・これが待ちわびてた執行官と鑑定人に聞こえたのか、それとも扉が開くのが見えたからなのか静かだった現場に再び人の動きが出てきてにわかにあわただしく。これで二人は内見の仕事ができるってことでしょう。
苦手意識でどちらかと言えば敬遠して、違う開け方をトライしてたこのGOALのピンシリンダーなだけにこの成功は本当に充実感一杯でした。
鍵屋のくせにピンシリンダーなんて基本中の基本とか言わないでくださいね。
開くときは開くのですが、開かない物は開かないのです。
でも次回はまた分かりませんが、やるだけのことはやるだけです。
カギ無しでのシリンダー開錠はOffice雅のキーレスキューまでお問い合わせください。