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2014.01.27
トヨタセルシオインロック開錠 (三島市)
’94年のセルシオのインロック。
この手の車は久しぶりですね・・・と言うのも、高級車って年式で評価が随分変わる物です。
今や高級車の代名詞であるセルシオを見栄で乗る人は少数派じゃないでしょうか?
高級車にふさわしい所得層はそれこそレクサスのハイブリッドとかに買い換えてるでしょう。
その下取りを当てこむのが若い世代で、新車は高根の花でも、セカンドハンドなら値もこなれて少し頑張れば買えるわけです。
しかし、年月過ぎた車両はそれこそ二束三文、高級車のはずのセルシオも初期モデルはコンパクトカーの中古車より市場価値は安いのでは。
そりゃ、車体はでかく、燃費も悪い、以前は豪華だった車内装備品も劣化してしまえば、使い勝手も悪く見栄にもならない。
もちろん、新車で買って大事に手入れしている方もいますが・・・。
今回の現場は自宅前で、そこでのトランクインロック。
駐車場はコンパクトカーが丁度合いそうなスペースで大きなセルシオを入れれば身体を横にしないと歩けないほどきつきつ。
そして後側のオーバーハングは玄関の石段に掛り、前側は道路にはみ出す始末。
車庫証明を取るには問題ないけど、近所的にはどうなんでしょ。
久々のトヨタの内溝TOY40のタイプです。
これは開錠冶具があるので、まあそれでやりましょう・・・とピッキング、少し反応悪いかな?で諦めれば良かったのですが、意地でも開けようとする鍵屋根性。
数分ほど掛りましたが開錠できました。。。と、ここまでは良かったのですが、このシリンダーの特徴で45度の位置でハーフタンブラーが引っかかってしまうのです。
それもピッキングで戻ることが多いのですが、戻り難い物もあるのです。
某問屋などではA・Bタイプと種類分けして冶具を販売してたりします。
どうも、その戻り難いタイプの車両のようでした。。。こうなってしまうと、ドアシリンダーを外して分解する必要があります。
これまで、戻らない事例では・・・忘れもしません、研修でいた浜松で当たったソアラ、一緒に当たった教官役の人共々泣きたくなりました。
なにしろソアラは車体が丸いせいかドアガラスが結構下まできていて、シリンダーが取り外しにくく往生しました。何時間やってたかは覚えてませんが相当解決まで時間が掛りました。
その後も私の経験で多かったのはクラウン系ですね。
幸いこのシリンダーを使うクラウンはドアピラーの無いガラストップなので、ヤバそうと思ったらすぐドア枠を狙うようにしてしまいます。この頃は作業料金がどこでも安いので簡単な方法を取るようにしていますが。
セルシオも今まで何回かあったよなあ・・・とか思いつつ、でもなっちゃったら仕方が無い、シリンダーを外そう。
既に日没過ぎてますが、セルシオの内装外すのはお手の物・・・と思ったんですけど、ええ?車両によって違うのか思った以上に手間取りました。
隠しビスの存在もそうですが、シリンダーがドア内側で取り出せないのです。。。これまでは留めてるボルトを外せばポロリと内側に落ちてくるのですが、その隙間が無いうえ、プラスチックのカバーが邪魔します。。。こんなカバーもついてたかな???
かなり難儀し、まるで知恵の輪のように向きを変えやっとシリンダーを外せました。
ここからはペースアップ・・・シリンダーの分解で冶具を撤去、さあ折り返しで組み立ててです。
外すのとは逆に、構造が分かったので結構手際良く進んだのです。
ただ目くらのシールが粘着力を無くし貼っても落ちてきます。。。これがお客さんの不信感を買ったのか???
更に最後、あれ~ビスが1本多い・・・そして1か所カラーが無く欠品・・・多分ここでビスの取付位置を間違ったかもしれませんが、外れることはありません。
終了!となったのは作業開始から2時間半・・・さすがに疲れました。
そしてお客さんに確認してもらおうとしたのですが、まずドアを開けてドアロックをいじると「掛らないじゃないか!」ってドアが開いてるからですよ。
更に傷が無いかと懐中電灯を貸せとばかりに手を出し舐めるようにチェック。。。そもそもこの車両製造から12年なんですけど。
決して新しいとは言えない木造住宅に所狭しと置かれたセルシオ、場違いと思えばこの車は頂き物だそうです。でも舐めるように見られたら。。。触るだけでも小傷はつくと言えばつきますし、ましてや部品を外したのですから。。。。
そう思ってる矢先に後部ドアの前下側の塗料の剥がれを指摘「腰が当たったんじゃないの?」と言われましたが、それは無いでしょ。
腰が当たって塗装が剥がれる?・・・腰にはベルト式で工具を備えてますが・・・さすがに「それはウチじゃないですよ」と言ったのですが納得いかなかったようです。
サインを伝票にもらった後で、アシスタント会社に作業完了報告したら、時同じくしてクレームを入れてたようです。
どうもクレーマーチックな方のようで、明るくなってから再度車体をチェックし、ディーラーに確認に入庫すると言ってたそうです。
しばらく、ゴタゴタしそうな嫌な予感。
ドアピラーで一気に開けた方が良かったか?でもそれやったら別のクレームついてたか?
時間をかけた割に充実感の無い作業でした。