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2015.02.14
金庫のカギのトラブル (富士市)
金庫のダイヤル錠を、部屋を整理していたところ誤って回してしまったら開かなくなってしまった。しかし、ダイヤルの番号を書いたメモはあるので開けて欲しいという依頼。
まあ、番号が分かってるなら合わせ方を電話口で教えてあげても良かったのだが、先方が来てもらうことを前提に話を進めていたし、逆質問すると若干耳が遠い感じもしたので、年配の方で面倒なのだろうと思い出動扱いにした。
当然、出動時の最低料金は伝えてあるのでこれで料金のトラブルはないだろう。
遺品として受け継いだ物らしいが、依頼者もそれなりの高齢。
金庫も見た目はまあ普通な感じだが、ダイヤルの回転が若干ムラがあり重いときがあった。
ダイヤル錠の開け方だから、まあすぐ終わると思って番号の書かれた紙を預かった。
数字が3つ・・・でもダイヤルを回してみればダイヤル同士の当たる音が3回する(つまりディスクは4枚あるはず)。
当然、この紙に書かれた番号では開かない。
ただ最後の数字だけは合ってるようなので、なにか暗号めいてるのではないか???と思ったが、そこからは想像できなかった。
ダイヤル番号不明での開錠作業となった。
ダイヤル番号の合わせ方は、以前同じような作業に行った時にネットで方法を見たがどうしても詰めが分からないと言われたことがあった。
まずおそらく公開されてるのは金庫を横にしてなかっただろうか?
もちろんそれだけでは開きませんし、全部の金庫の該当するとは限りません。
この方法は主にホームセーフのみになりますが、ダイヤルの切り欠きが横に揃ったときにダイヤル錠が開錠状態となるのです。
そのために横にするのです(万有引力の法則で)。
どうやって、そろえるか・・・弊社では振動する物を使ってます。その振動をダイヤルに掛けてやると軽いところが上に行くわけです。
ただ、闇雲にやってもできません。
まず番号にはある程度の法則があり、それに近い数字をあらかた合わせたうえで振動を掛けるのです。
その数字は一覧表になってるので、一言では書けません(要は内緒)。
ところが、先に書いたようにこのダイヤルは回転にムラがあり、なかなか揃ってくれず。
外観は業務用金庫でダイヤルが一つ、鍵穴が一つ、そしてレバーがついたもので大きさは60cm×50cm×50cmくらいでしょうか。
シリンダー錠はダイヤル錠が開錠時に切り欠きにデッドが入る仕組みのようで、中身はホームセーフと同じなのでしょうが、振動掛けても開いてくれません。
早いときは数秒なのに、数列も一通り二度試しましたがダメで約1時間半・・・ダメと諦め、破錠宣告。
ただ、お客さんも破錠やむなしを口にしながらも少し惜しいような雰囲気。
以前開けてもらった業者は数秒で音を聞きながらやった・・・と言うけど、番号分かってたんでしょ。それはあり得ない・・・が年配者らしい頑固さで聞く耳持たず。
壊せば処分の手間が出る・・・ということで、即時開錠は諦めてダイヤル照会に出すことに。
通常はメーカーが一定期間、製造時のダイヤル番号のデータを控えてあるので、それを有償で取得する手段です。
ただ、古い物やメーカーがすでに倒産しているケースもあり、全部が解明できるとは限らない。
それでも一縷の望みで製造番号が書いてあるシールを見れば、運が悪いとはこのことで一文字だけ印字が薄かったのか消えていた。
それでも、周辺の残ったインクで想像すれば「3」「6」「8」のいずれかが想像できた。
どれとも取れる。
しかし3通り照会すれば3つ分の経費が掛かる。
事務所に帰りファックスで照会出す際に腹を決めたのは「6」だ。
なぜなら、最初にそう読めたので。
ただ、確認するうちに、3とも8とも読めたので。確率は30%。
番号照会はその日のうちに返信されてきた。
キーナンバーも照会され1つのダイヤル番号が該当した。
翌日、それを持って再び客先へ出向いた。
なんとか合っていてもらいたいが、万が一ダメなら破錠できるようにドリルや下に敷く新聞紙も持参した。
ダイヤルを回す・・・BINGO!
キーシリンダーが回転した時は安どの気分に満ちた。
もし、壊さないことに拘られたら・・・、とりあえず番号照会は合っていようが間違っていようが1回分の料金が請求される。
それも、決して安い金額じゃないので安易に頼らないことにこしたことはない。
幸いにして今回は運が悪く、製造番号が完璧に確定できなかったにしても、完全に見放されたわけでなく見当をつけた番号が当たったので一度で済んだ。
お客さんも慌てていた割に、とても喜んでくれて良かった。