ブログ
2019.02.11
テレビ番組は・・・フェイク?
米国のトランプ大統領が昨年フェイクニュースを連呼して報道の信頼が揺らいだ。
報道でそうなんだからバラエティ番組は??
20年ほど前に私の友人で今も鍵屋をやっている人間がテレビ番組に出演した。
「1分かんに何個の南京錠を開けられるか!」
という番組内の企画だけど、事前に中のピンタンブラーを抜いてあったらしい。
つまりピックを突っ込めば開く状態なのだ。
スゲー!って思えば視聴者を引き付け番組的には面白いだろうが中身は無いということだ。
でもそれを見た視聴者はそれが現実だと思い込んでしまう。
かつてのテレビは真実を映像に載せて文字や音だけより臨場感と共に伝える物であったが、最近はどうも違う。
むしろ映像を伴うことで印象操作に使いやすいから、その色合いの方が濃い。
ピッキング犯罪が多発したときもやはりテレビの役割は大きかった。
中国人窃盗団によるピッキング犯罪は日本中を不安に陥れたと共にシリンダー交換という副産物で仕事をもたらした。
マンション1個に何百世帯も入居していれば、シリンダーの交換で1件1万円であれば何百万の売り上げが上がる。
それを見込んで鍵屋だけでなく、住宅管理会社や警備会社まで前のめりになった。
ドライバー1本で済む仕事なだけに、ある意味誰でもできる単純作業。
バブルがはじけた不動産産業にもちょっとした息抜きとなってたようだ。
弊社もいくつか受注したが、他所が単価の安売り合戦をする中、あまり単価を下げなかったせいか恩恵はなかった。
しかし、番組も永遠と恐怖を流すわけにはいかないし、犯人の主犯格が逮捕され話題が途切れると問い合わせは減った。
その恩恵を見込んで大量にシリンダー在庫のある会社の倒産が伝えられるようになった。
どうも仕掛けだったという説が嘘か誠か囁かれた。
それっぽい手口は散見したが、マスコミで言うほどでもなかったと思う。
それから月日は流れたが先日鍵屋の仕事をしたいという問い合わせがあった。
ただ今からゼロスタートではちょっと遅いような年齢だったのでお断りしたが、きっかけはテレビだったらしい。
手先でちょこちょこっとやって鍵を開けてしまうシーンでも見たのか、技術を教わりたいと言ってきた。
給料目的でも無いと言うので、想像するに失礼ながら年齢的にボケ防止か!と思ってしまう。
鍵穴に何か突っ込んでちょこちょこっと開いてしまう時もあるが、そんな作業ばかりなら苦労はない。
自動車で現場に向かって外気との気温差は身体をおかしくするほどだ。
なるべく短時間で作業することを求められ・・・それだけでもハードルは高いと思う。
さて、先日金庫を開けるシーンはないかという問合せが某テレビ関係からあった。
あれば連絡欲しいと言うが、その後何個の金庫を開けたことか。
先週はブログに書けないというか口外できない金庫の現場もあった。
秘密裡に行った公的な捜索なので口外できない。。。つまり番組で報じるのは良くても一場面。
そこに編集が加わればフェイクとなることもある。
ドキュメントで生きる現場とファンタジーを追う立場とが共存する社会に事実を見抜くことは必要だ。
鍵屋はファンタジーではない。