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2020.08.18
トヨタ VOXY 紛失キー製作(南伊豆町)
沼津から南へ97km、南伊豆町でVOXYの鍵の紛失。
VOXYと言えばトヨタの人気車でバリバリセキュリティ効かせているだろう。しかもレンタカーらしいから最新モデル・・・と思えば初期モデルであった。
何せ距離のある場所なので、前日夜に電話もらった際にインジケーター類を確認してもらったが、どうやら申告通りイモビは未装着なようだ。
お盆休みのせいか、伊豆は結構な混雑。
日頃車など見かけないのに・・・そして、現場に着いて気が付いた。
サンプルキーを忘れた!
サンプルキーを入れた工具箱を別件で下していて載せるのを忘れたのだ。
同業者の方なら笑うところだろう。一般の方は???だろうから解説すると自動車の鍵はシリンダー番号からコード検索をして段差を調べる。その際に切る溝と溝の間をピッチというのだが、これがシリンダーの種類ごとにことなり、それをアシストしてくれるのが櫛のような形をしたサンプルキーなのだ。サンプルキーがあればあとは段差さえ分かれば鍵がカットできる。。。というように、今回は段差は分かるがピッチが確定できない状況となったのだ。
さあ、どうするオレ!
片道約100kmを戻ってサンプルキーを取に行くか?
すっとぼけてシリンダーを預かり会社でカットします!と言うか?
どちらもプライドが邪魔をする。
30分で終わる作業だし残る選択肢はバラす!
ブランクキーを内筒のストッパーに当てヤスリでタンブラー位置に傷をつける。
このVOXYのシリンダーはM382の10カットというシリンダーで1か所の空間に2枚のタンブラーが並ぶというある意味で不均等なタンブラー配列と言え、同じM382でも前期となる8カットとは少し赴きが異なる。
正直サンプルキーを当ててやってもなかなか作りにくい鍵でもある。
確かサンプルキーがまだ製品化される前に10カットに当たって意地で作ろうとしたことがあった。ただキャンセルになっていまだにサンプルキー無しは挑戦したことはない。
今振り返れば無理としか言えないが、まさしく今!それをやらねばならない。
ノーミスとは言えないがとりあえず3本失敗しながらもストッパーから8ピンまでなんとか作り上げた。実はドアシリンダーには8枚のタンブラーしかないのだが、イグニッションを回すには10枚分切らなくてはならない。
段差は分かってるがピッチが確認できない。
ただ運は味方してくれた。
残り2本のうち1本に段差が6.4mm(ノーカット)の高さがある。
つまりその高さを大事に残し、最後の段差の5.7mmをカット。
さあ、イグニッションは回るか!?
天は味方してくれた!
エンジンは掛かり作成は成功と言いたいが、実はドアシリンダーで少し誤差があり、時々引っかかる。
イグニッションは問題がないので摩耗による劣化と見て良いのかもしれない。若干持ち手を下に押さえつけると問題なく回る。
状態を説明して受け渡した。
何はともあれ、これで帰れる(ナンバーは横浜)と思ったら、これから海へ海水浴に出るそうだ。