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2020.02.21

業務拡張は断念

気が付けば鍵の業界にも1999年以来なので20年以上いたことになる。
開業当初はやはりロードサービス分野では一番の会員数やマーケットリーダーとも言うべきか某公益法人は高嶺の存在でもあった。
当時はオートバイロードサービスを併業しており、公益法人ではまだ二輪は手掛けておらず、その営業を兼ねて訪問したものだ。
また今もそうだがその基地の近所に住んでいたので、隊員からは故障したバイクのピックアップや時には非会員の外車の仕事などを紹介する、自動車の紛失キーの作成を紹介する電話があった。

そのうち二輪ロードサービスも一般的で公益法人でもそのサービスを始め、弊社としては撤退の方向に向かった。
それでも鍵だけはやり続けたお陰で、今では特に開錠が難しいと言われる欧州車用の治具Turbo decoderを輸入販売し、公益法人にも販売させてもらってるが、それを使っての二次対応にも成功して近所で少しは名を馳すことができたのか?
年末にその公益法人の支部から指定工場登録の打診があった。
願っても無い話だ。
開業当時は営業訪問するも全く相手にされなかったのだから。

そして1月下旬に打ち合わせの席があった。

沼津近辺ではこれまで指定工場だった鍵屋が廃業し、近隣市でも高齢化で動きが悪くなり、そのくせ開錠作業は難易度が上がり、知識と手間を要するものになり、それらの対応ができる協力店の整備は課題であったようだ。
もし作業単価が今の時代に合うのなら、何も迷いはなかったであろう。

私は学生時代にガソリンスタンドでアルバイトをしていた。もう30年も前だが、時々インロック開錠作業もやっていた。もちろん作業方法はピッキングではなくヘルパーによるものであった。その時の単価は忘れもしないが、それと遜色ないのが提示された作業料金。
30年という年月だけではない。
新車のハイセキュリティ車や輸入車であっても差別化はなし。
おまけに観光シーズンは超混雑する遠隔僻地であっても片道40kmまでは手当なし。

萎える。

公益法人の指定工場という看板は魅力だ。まさにハクがつくというヤツ。
しかし、この料金は今までの自分がしてきたことを否定するようなもの。
保険会社のロードサービスも、ジリジリと値下げを余儀なくされてきたが、ある一線を越えたら、そことは契約しないと心に思っていた。公益法人の物はそんな一線など全く介さない、話にならないという水準。

それでも検討させてもらった。

作業数は増やしたい、少しでも多く現車にタッチしたい。それが手先を衰えさせない方法だ。
反対に付加価値を追い求めてきた自分の否定になる。
少しでも付加価値をつけて、単価を上げることを理想にしてきた。
より迅速に現場に向かい、短い作業時間と鍵穴による確実な開錠、昼夜や悪天候問わず現場に向かう。鍵を紛失してるなら現場での作成できる安心感。意図せぬ機械的トラブルなら的確な原因究明とアドバイス。近年では一次対応で開錠ができなくてもTurbo decoderを活用した新しい作業方法による開錠。

このTurbo decoderも業者間の関係をつくるためにわざわざブルガリアに飛んだ。
行ったことの無い国、会ったことの無い人。
逆境を楽しんで情報の受け取りや仕入れのルートを築いてきた。
それなりのコストが掛かっているのだ。。。

もちろん良い話を蹴るほど気持ちは小さくない。
法人化して8年、毎度思うのが従業員の充填。経営者としての会社運営。
従業員を入れよう!
幸い求人に対し2週間で3人の応募があった。うちのレベルでは十分な人材かもしれない。
しかし、会社としてこの誘い話は美味しいのか?
見込める作業出動数は未定。基本的に公益法人の職員が第一出動となり、ウチは二次?三次??
沼津基地で月90件程度の鍵関連があるそうだが、これに提示された作業料金を乗じてもビッグビジネスとは言えない。むしろ心身ともに消耗である。
90件全部いただいて、従業員に作業に赴かせても組織としてはそんなに旨味はない。ただ従業員を遊ばせずに働かせるだけという創造性の欠片もない。

それどころか報道の通り、武漢肺炎の蔓延で海外旅行者だけでなく国内旅行も余波を感じる。既に昨年の消費増税で消費者の財布が固くなってる感じはしていたが、ここ二週間の動きはやがて来る更なる波に備える必要を感じた。
今、人を採用し、技術を伝授する時間は無い・・・そう判断するしかない。

強気にふるまうのではなく、とりあえずこの波をやり過ごそう。しかしこの波は短くても半年は掛かると言われる。今は人を入れられないし、自分は付加価値をもっと追及したい・・・そう思えた。

必然的にこの指定工場の話は受けられないと社長として判断することになる。
しかしながら、不思議なほどの爽快感がある。
職安を通じて面接に応じた人には申し訳ないが、経営者として採算が合わないのに突っ走り給料を払えなくなるようなことはしたくない。

近々、正式にお断りしなくては。

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