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鍵穴に接着剤の様な物を入れられ鍵が入らない（開錠ができない）という入電だった。
集合住宅の管理をしているという初取引の会社からの連絡であった。
ところが現場に行ってみたら既に入室はできていた。
ただ鍵穴には接着剤らしきものがびっしりと詰まっていた。

本来管理をしているというのなら、発注者も現場に来て立ち会うべきでは？と思う。
確かに電話では行けたら行くという曖昧な物。
接着剤の様な物が入れられたのは前日の話で、昨日の夕方には警察を呼んでの被害届を出したようだ。
たかが鍵穴であるが立派な器物損壊となる。
入居者は日本語はある程度通じる外国人（東南アジア系）、だが賃貸契約をしている会社の人間が立ち会ってのシリンダー交換であった。

見るからに接着剤で満ちているように1本使い切ったのだろう。
縦に見える線は警察官がこじったらしい。
ちなみによく言われるのが1本を使い切るのは怨恨と思われる。
いたずら程度な少量だと一軒だけでなく何件か入れられたりするし、あくまで使い残しを処理する感じだったりする。
さすがに聞かれない以上、余計なことは言わなかったが。

今日の営業（作業小屋内）も終わって夕食にしようと言う時間、東名高速の愛鷹PA下り線でのいすゞの大型トラックのインロック開錠作業依頼。

このクライアントからの大型トラック作業は歓迎！
しかも今回は近場だ。
まだ完全に日没になってないなど前回の日野より作業環境は各段に良い。
いざ東名高速を沼津から乗り愛鷹PAへ。
西方面に行く際は愛鷹PAのスマートインターチェンジを良く使うが、そこから入るとPA内へは逆走となってしまう。

いざ到着してみて、意外と混雑していた。
いつもはガラガラなのに、大型車のエリアも普通車のエリアさえ満車。
該当車両を探すのも一苦労。
何せ奥まで作業車を入れたら手前に駐車されてたら逆走しないとたどり着かない。
とりあえず一台ずつナンバーを見て探すがナンバーを斜めにされてたりでなかなか判別できない車も。
電話を掛けながらある程度の場所を聞けば、目の前だった。

さて、ハザードつけて作業に入ろう。
「６秒だ！」
このフレーズはお馴染みの漫画の主人公のフレーズだ。
日野はクソはまったがさていすゞは？
6秒掛からなかったと思う。

さてここからならスマートインターチェンジでチェックアウトできる。
夕飯間に合うかな。

夜10時過ぎ、第二東名清水PA下り線で日野の大型トラックのインロック開錠依頼。
久々の大型車、ここのクライアントのトラック案件は作業費が良いのでありがたい。
下り線なので長泉沼津ICを乗って素直にSAに入れば良いのだが、今日に限ってなのか？年のせいなのか距離感が無い。
高速道路とはいえ暗闇で回りが見えない。
とりあえず長距離トラックなので早めに作業を終わらせてあげたいからと最高指定速度になる120km/hで走り続けた。
大型車はリミッターが付いてるので出しても90km/hなのに追越車線に出てくる。
勝手だが本当に迷惑だなあと思いつつ追い越し車線で減速する。
3車線道路の第一レーンは法定速度で走るトラックの車列。
そろそろSAかな？と思い第二車線に移動するが背高のトラックに囲まれて、入り口看板を見過してしまった。
照明に気が付いた時は既に遅しでそのまま走行車線を直線。
ロスタイムを自ら作ってしまい、清水JCT先の清水庵原ICで一旦チェックアウトし、側Uターン。リカバーしようと速度を上げたら接続の東名高速を逆方向の下り名古屋方面へ入って走ってしまった。
ロスタイムに更にロスタイム、静岡ICまで行く羽目に。
何を焦ってるのか・・・気を取り直して東名～清水JCT～清水ICへ戻りUターンしようやく清水SAへ、ここまで実に５０ｋｍ以上のロスとなる走行をしていた。

幸い時間を取っていたので予定通りの到着となったのだが。
さて作業は鍵穴の広いM382、疑わずにピッキングをしたら過去に宅配便の２ｔ車デュトロやDYNAであった、２０度ほど回って止まってしまう症状。
開錠には成功してるのだろうが、何かが引っ掛かってそれ以上回らない。
いつか分析しようと思いそのままなのだが、それ以上回らないので、ハーフピンと言うことも無いだろう、それでも恐らくその状態で更にピックする必要があるのかも。
ただお客さんも見ていて早い方が良いだろうとやり方を変更。

スマートに行けば良いのだが車体がでかいので脚立を出しての作業。
それにしても新車っぽいので気を使う。
窓を触るにも指立て状態。
運転手の趣味だろうが助手席のぬいぐるみと作業を妨げる物ばかり。
本来ロックボタンを触りたかったが、距離感が掴めず、幸いエンジンが掛かっていたのでパワーウインドウのスイッチに触れることができ、ピッキングのリカバーができた。
とりぜず作業完了し結果オーライ。

入電時、受付からお客さんの名前を言われ、まず外人か・・・と気持ちの準備。
ところがカタカナで書く名前が結構長かった。
さてどこの国の人なんだろ？

富士市でスバルBRZのインロック作業。

姉妹車のトヨタ８６は何度かやったがBRZでは初めてかも。
なんか急ぎみたいで、会社出勤時にやっちゃったのかな？

自慢じゃないが、結構顔付で外国人の人種を見分けることは得意。
恐らく日本人だと白人は皆一緒に見えるのではないだろうか？
仕事を含めて付き合いがあったのが東欧、ロシア系が多かったせいか、明らかにゲルマン系やラテン系との違いを見分けられる。またロシアでもロシア系、スラブ系は結構違う。
しかし現場に居たのはよく日焼けした肌色の男性。
黒人系でもアフリカと南アジアや中東とはまた違う。
彼は髪の毛の感じからインドかパキスタンかな？

BRZや８６はトヨタで使われてるM３８２の10ピンだ・・・以上。
では面白くないが、作業としてはそんなに時間も掛からない。
しかしトランク（ハッチゲート）インロックでドア開錠ではハッチは開かない。電気制御になってるのかな？シリンダーを外してロック・アンロックをしてセキュリティ解除になるかは試してない。
ドアが開けばお客さんは潜りこんで鍵を取りだした。

帰り際に免許証で本人確認をし伝票にサインをもらったが名前はやはり長かった。

一応個人情報なので1000円札を載せて伏せてあるが端から端までアルファベットで38文字。
会話の中で長い名前を言ったせいか、略称でなくあえてフルネームで署名してくれた。ちなみにこの1000円は要らんと言ったがお客さんがくれたチップだ。
もちろん日本はチップ制でないし、明らかに年下から小遣いをもらうのは儒教の視点でも違和感があるが、拒否し続けるのも失礼なので適当なところで気持ちでもらった。

これから名古屋へ行くと言い、仮ナンバーを付け走り去った。
自動車ブローかーみたいだ。
ちなみにお客さんはスリランカ人だった。インド・・・ニアピンだな。

ちなみに国籍や人種を聞くのは私個人はレイシズムやナショナリズムとは思ってない。

時々県外の作業が舞い込む。
最近では山梨県の都留市が毎月入っていた。
あの辺だと甲府からも遠いし、東京・神奈川からも遠いエアポケットのような場所なので弊社が漁夫の利を得るのも理解できる。
しかし今回は神奈川県の大和市、弊社からでは９０ｋｍ。
夜23時過ぎとはいえ、不夜城の東京なら業者も寝ずにやってるだろう。
実際僕は既に湯上りで寝ようかと思っていた矢先だった。
当然別途出張料はいただくし、急ぎなら高速道路の通行料も別途でいただく。
加算すると1万円を超えるのだが入電。
なぜ入電したのかと言えば恐らくだが、アパートだが玄関ドアにドアスコープが無く、新聞受けも無い。
築年数からシリンダーは間違いなくアンチピッキングに対応した物。
要は開かないじゃないか！
ただクライアントの関係で行くだけでも行って欲しいというアシスタントの依頼。
こちらもダメ元で出かけた。

沼津からは東名高速で東へ走るが、月替わりのせいか大型トラックが多い。
入ってはいけない追い越し車線まで大型がレーンチェンジしてくる。
速度規制されてるんだから、なんとか考えて欲しいなあ。

予定の90分より当然早く到着。
案の定、シリンダーはアンチピッキングのオプナス。
ドアに新聞受けは無く、インターホンカメラ付きでドアスコープも無い。
いわば玄関はお手上げだ。
あと使えるとなるとテレパシーしかない！

本来なら破錠と結論を出し、不可なら撤収するところ、やはり出動費のみでは手ぶらすぎる。
やるだけやってみよう。

幸い今夜はそれほど冷え込んでない。
また部屋が１階なので窓が触れるのだが、弱点となる小窓はスライド式のがあるがこれはどうしようもない。
窓らしい窓といえば掃き出し窓しかない。
しかし、ここはドアと枠の隙間から治具を入れてもクレセントまでの長さがあるので、居り返せない。
仮に居り返せても長さがあることで、治具がしなってしまう。
上手くいかないのだ。ましてやクレセントにストッパーなど２重にロックされたら、ほぼ不可能だろう。
ところがお客さんに聞けば、ストッパーは掛けてないらしい。
こうなったら念力を出すしかない！
（さすがに開け方は書けない）

５分ほど念力作業の後、開いた！

遠路はるばる来た甲斐あった。
報告はクレセント開錠と呆気ない言葉だが、なかなか充実した念力作業であった。
実態は物理に従った論理的な開け方なのだが。
地球上には摩擦がある。それを上手く使えば・・・と言ったところ。

さあ明日は９時半に伊豆長岡で執行、早く帰って寝なくては。