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2021.02.07

安否確認 静岡県富士市

先週、電話でまず問い合わせが来た。
富士市に住む息子宅の鍵を開けて欲しいと言うのだが、年老いた年配女性の声でどうもそこの住人ではない様子。何か変だと思い色々話を聞いてみると、2年ほど音信不通になってる息子さんの所在を知りたいのでとりあえず息子さん宅を開けて欲しいと言うのだ。
さすがにそれはダメだろう。
本当に親族なのかも分からないし、第一生計を別にしてるのであればプライバシーは優先される。
2年間も音信不通であればそれなりの理由もあるだろう。
実はこの2年間に落とし穴もあった。
2年間の音信不通、仮に安否確認を要する事態で万が一宅内に居たとしても亡くなってる可能性がある。もし存命なら家には居ないだろうという思い込みだ。
案の定、銀行に借金があるようでそれが親元に銀行から連絡があり、どうやら入金が無いようだ。ただ親は連帯保証人にはなっておらず、息子さんも50代ということで負債を背負い込む義務は無い。
何にせよ、第三者の立会が無ければ開錠を請け負うことはできないので、安否確認の要請で警察を立ち会わせてもらうように促した。
てっきりすぐに連絡が来るかと思えば、それっきり暫く連絡は来なかった。

約1週間ほど経ち、再びその老人から電話があったが、話がまた最初に戻っていた。
少しイラっとしたが、まずは警察に事情を話して欲しいと言ったら、先週電話の後に警察署に電話をしたら鍵屋に開けてもらえと当直の警官に言われたと言うが、それはあまりに無責任な回答だ。
他業者はどうかは知らないが弊社では住宅を開錠する際には住人である確認ができることを原則にし、もしできない場合は公的立場の第三者の立会が無ければ開錠をしない。開錠が技術的にできることとやって良いことは別。。。その辺の手続きの甘い業者も多いと聞くが。
約30分後に今日は再び連絡が来て、午後の着手が決まった。

現場に到着すれば、まず玄関にたどり着くのが困難なほど竹や雑草が生い茂っていた。見るからに人気は無く、また死臭もしてこない。窓にもハエが集っている様子もなく、考えられることは既に家を開けた夜逃げ状態なのではないだろうか?
その後警察官と合流しいよいよ着手。
弊社の役割はあくまで玄関を開けることだけなので宅内への侵入は警察に任せた。
間もなくして警官の一人が出てきた。「いました!」驚きであった。
しかし、意識は朦朧とし、受け答えも怪しい状態で寝ていたそうで、救急車の要請となった。

物々しい雰囲気に近所の人達も何事かと寄ってくる。
日頃、人影の無かった家を出入りする人達に何事かと・・・。

仕事も離職され状況から食事も取ってないのだろう。ガスと電気は既に止められ水道のみがまだ止められてない。
水と塩さえあれば人間しばらくは生きられるが、ここ暫くの寒さ、風呂にも入ってないだろう。
それを親である年老いた老夫婦に見せつけるのは内心残酷に思えた。
老夫婦の旦那さんが実は癌を患い、来月まで通院し来月から少し時間ができるので銀行と借金についてはそれから話し合うと言っていたが、もし安否確認の作業もそれまで、否翌日まで伸ばしていても、もしかしたらここに置かれたのはストレッチャーやタンカではなく死体袋だったかもしれない。

そう思うと、1週間前にこちらからアクションを掛けられなかったものか、少し考えさせられてしまう。
建前は建前だが、申し訳ない気持ちにさせられた。
今日は開錠時は破壊も許可されていた。鍵穴でこちょこちょ・・・遊びでやってるわけではないので、手段を選んでられない。
救急車には母親が乗り、ようやく搬送先病院も決まった。パトカーも撤収しようやく自分の車も動かせる。
道路に出て、年老いたこの息子の父親がいつまでも頭を下げていたのが印象的な一日であった。

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